番組審議会記録

第68回GAORA番組審議会記録

第68回番組審議会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、書面による開催としました。今回は、「進化し続ける佐藤琢磨2019から2020へ~Takuma Club Meeting 2019~」について審議を行い、委員の皆様から次のようなご意見をいただきました。

番組審議

<審議番組>

進化し続ける佐藤琢磨2019から2020へ~Takuma Club Meeting 2019~  

放送日時:2020年1月26日 (日) 午前9:30~午前11:00

<番組概要>

F1レーサーとして確固たる地位を築きながら、未知の領域だったアメリカンモータースポーツの最高峰・インディカーシリーズに挑戦し、昨年10年目のシーズンを迎えた佐藤琢磨選手。彼のファンミーティング「Takuma Club Meeting」の模様から、キャリア最高のシーズン2勝を挙げた2019シーズン、および10年間の挑戦を振り返り、新たなシーズンに向けての目標・抱負を自身が語る90分。今回は参戦10年目の区切りであり、何より42歳という年齢にも関わらず自己最高の成績を残し、さらに来季以降のさらなる飛躍が期待される佐藤琢磨選手の、バイタリティーの源は何か、モチベーションの秘訣は何かなど、2020年シーズンを観戦するにあたっての新たな切り口を見つけるために番組を企画しました。 番組はイベントの流れをそのまま生かしたため、番組の半分以上が2019年シーズンの振り返りになっています。

<審議意見>委員の主な意見は次の通り。

  • ・佐藤琢磨選手が2019年シリーズを振り返りながら自ら解説するなど、コアなファンにとっては面白く興味深い内容だった。彼がなぜ結果を出せたのか、彼の中で何が変わったのか、何が契機となったのか、コクピットから見える景色がどう変わったのか、彼の心の中を覗いてみたかった。ファンであってもモータースポーツをよく知らない視聴者にインディカーのレギュレーションやドライバーの年齢、スピード感、体への負担等、他の身近なものと比較しながらの適度な解説もあればより分かりやすかったと思う。2019年シーズンの振り返りだけに留まらず、最後には夢を追いかけるジュニア層への支援の事もしっかり盛り込まれており、上手くまとまっていたのではないか。
  • ・佐藤琢磨選手のイメージが大きく変わり好感度が上昇した。レースごとに、彼の戦い方、心の入れ方などの解説が楽しく、次のレースはどうしたのかと興味を持ちながら視聴できた。また、TAKUMA CLUB MEETINGの様子でさらに佐藤選手の気さくなことがよく知ることができた。彼のことやインディーについてあまり知らない視聴者にも好感できる内容であった。一方、インディカーについて、オーバルコースでは500マイルは何周するのか、タイヤのブラックとレッドの違いは、ピットの回数は、HONDAとシボレーだけなのか、F1との違いは、など説明が欲しかったところが何点かあった。
  • ・カーブを利用しての追い抜き場面や一瞬で接触が起きてコースアウトするなど、すごく接近した状態でのハイスピードレースであることが感じとれた。また、見せ場であるピットインでのトラブルやそれに対するチームあげてのリカバリーの過程など、佐藤選手自身が解説していてとても分かりやすく、興味深く視聴することができた。佐藤選手の未だに衰えない情熱、まだまだ改善していこうとする態度、それを緻密かつ地道にやっていこうとする姿勢などを感じ、ますます彼へ期待する気持ちが生まれた。そして私自身も「もっと頑張れるのではないか」「もっとやれるのではないか」と思わせるものがあり、佐藤選手という存在自体の説得力や他の人を前向きにさせるエネルギーを改めて感じることができた番組であった。
  • ・インディカーの全体像が、佐藤琢磨のレース映像と彼自身のレース解説によって分かりやすく大変面白い番組であった。自らの語りによって、各レースへの自分の思いとチームの取組みをしっかりと解説してもらうと、否が応でも引き付けられた。イベント中継の形式であったが、モータースポーツファンのための番組としては、そのイベント現場感がなくても良かったのではないか。とりわけ司会の女性の進行が会場の観客を意識するために過剰にハイテンション化する部分もあり、逆に耳障りのときもあった。ファンサイドは彼を「勇猛果敢」「挑戦的」と評価するかもしれないが、インディカー関係者の中の佐藤琢磨に対する否定的なコメントが聞いてみたい気もした。さらにマニアックでプロフェッショナルな番組ができればと期待する。
  • ・F1よりも最高スピードは速いこと、北米で圧倒的な人気スポーツであることなど、このコース上の格闘技ともいえる激しい世界で戦い続ける佐藤選手の逞しさに凄いを超えて涙が出るほど感動することができた。モータースポーツ素人の私には「よみうりランド」のイベントでの佐藤選手のハンドルさばきやコース取りをみて、このようなおまけ映像でもファン層が広がるのかもしれないと感じた。気になったところとして、第9戦(テキサス)でのピット事故について佐藤選手の心情など本人からしか聞けない話が進んでいるにも関わらず、VTRはそのまま次戦へと進んでしまい、慌てて話が終わってしまったように見て取れた。同じアスリートとして、佐藤選手をいつも応援しているファンの皆様が心配し聞きたかったであろう場面について自ら語っていただけに残念に思えた。事前の打ち合わせで「どのシーンについて熱く語りたいか?」を確認しておけば、多少VTRを止めて話を聞くことが出来たのではないか。また放送ではVTRを編集すれば第9戦の映像を流しながら佐藤選手の思いを最後まで聞く事が出来たのではないか。また、イベント会場にいるかの様にテレビで放送するためには、佐藤選手一人のワイプはあのサイズが適当だったのか?もう少し会場にいるような臨場感をテレビの前でも味わいたかった。
  • ・GAORA SPORTSらしい番組だと見終えて思っている。ファンミーティングの模様をこれほどしっかりと視聴者に提供することは、なかなかできることではない。私はそのことに対し、ポジティブな評価をしたい。佐藤琢磨の魅力溢れるキャラクターがあればこそ、番組を成功に導くことができたといえるだろう。彼の頭の良さ、話術がなかったらと想像すると少々不安になる部分はあるが、シンプルな作りであるにもかかわらず、興味を途切らせることなく見ることができた。番組の最高殊勲は“佐藤琢磨”だ。逆に言えば、もう少し番組を見せる「工夫」が制作陣に欲しかったともいえる。ファンミーティングという性質上、参加したファンは大喜びであったのは間違いないが、その喜びを視聴者も感じとれるような撮り方、作り方はできなかったか。現場での熱を共有できるような演出がもう少しできたのではないか。 またMCの発する雰囲気が、場を盛り上げるのとは逆ベクトルに進んでしまっていたことは事実だろう。現場の温度とテレビ画面で見る温度は違う。そこが難しいところだ。ナレーションを入れることで乗り越えることもできたかもしれない。冒頭、ファンミーティングの模様を放送することを評価していると記したが、番組を一本調子にせず、視聴者を90分引き付けるために、もう少しだけバラエティに富んだ作りにしてみて欲しかった。
  • <委員長総括コメント>・本番組は審議委員から高評価を受け、佐藤琢磨選手については複数の委員から好印象を受けたというコメントが寄せられ、彼の人となりをよく視聴者に伝えることができた番組となっていたと思う。他方で、インディカーをよく知らない視聴者に対しての説明や要望のコメントが複数みられるが、これらはスポーツ専門CSチャンネルのGAORA SPORTSがターゲットをどのように定め、またどのように視聴者の幅を広げようとするのかについての課題であると言える。また、レース以外でのファンと触れあい社会に貢献しようとする佐藤琢磨の活動シーンの紹介がもっとあれば,彼の人柄に対する視聴者の認識はより深いものになったのではないかと考える。

GAORAでは、これらの貴重なご意見を、これからもより良い番組をお届けしていくために大いに活用させていただきます。

審議委員

種子田穣委員長、影山貴彦副委員長、黒田勇委員、藤井純一委員、沢松奈生子委員、森本志磨子委員、山本泰博委員 (以上7人)