第94回選抜高等学校野球大会 展望

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小関順二

posted2022年3月9日 18時00分

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今センバツ大会の有力校は昨年秋の明治神宮大会を制した大阪桐蔭を筆頭に、準優勝校の広陵、準決勝に進出した花巻東、九州国際大付の4校だ。その4強は1回戦では当たらないが、近接したブロックにいるので勝ち上がれば2回戦、準々決勝で当たることになる。

 1回戦は強豪同士の対戦が少ない中で2日目の敦賀気比対広陵、3日目の木更津総合対山梨学院、5日目の市和歌山対花巻東が注目を集める。

 広陵は優勝候補の2番手に挙げられる強豪で、明治神宮大会決勝では大阪桐蔭相手に主軸の2年、真鍋慧が3安打2打点、田上夏衣が2安打2打点を挙げるなど強打を遺憾なく発揮、7対11で敗れたが王者をあわやという場面まで追いつめた。対戦相手の敦賀気比も明治神宮大会2回戦で大阪桐蔭と対戦し、エースの上加世田頼希が持ち前の制球力を発揮、中盤まで互角の戦いを演じた。

 木更津総合と山梨学院はともに昨秋の関東大会で準決勝まで進出している。木更津総合には越井颯一郎、山梨学院には榎谷礼央という大会屈指の本格派右腕がいて、榎谷は準決勝の浦和学院戦で延長10回を投げ抜き、チームを決勝に導いている。

 市和歌山対花巻東は注目度ではナンバーワンと言っていい。花巻東の主軸、佐々木麟太郎は2年生にして高校通算50本塁打を記録する超高校級スラッガーで、その前後にも強打を誇る田代旭に、2年の熊谷陸、千葉柚樹が揃う。迎え撃つ市和歌山のエース、米田天翼は最速148キロの快速球を武器にする本格派右腕で、昨年の近畿大会1回戦では強打の神戸国際大付を1失点完投に抑えている。

 注目選手はここまでに挙げた以外でも投手では森下瑠大、平野順大(ともに京都国際)、前田悠伍(大阪桐蔭2年)、松林幸紀(広陵)、冨田遼弥(鳴門)、大野稼頭央(大島)が140キロを超える本格派として注目を集め、打者では石川ケニー(明秀日立)、松尾汐恩(大阪桐蔭)、戸井零士(天理)、佐倉俠史朗(九州国際大付)がプロスカウトのチェックを受けている。

 優勝候補が勝ち上がれば広陵と九州国際大付が2回戦、大阪桐蔭と花巻東が準々決勝で当たる。またイチローのコーチを受けた国学院久我山と、イチローのコーチを熱望する有田工の戦いも面白そうだ。