【インディ500】ローゼンクヴィストが史上最僅差0.0233秒差で劇的初優勝! 佐藤琢磨は10位フィニッシュ

  • #モータースポーツ

Shuhei.N.

posted2026年5月25日 9時16分

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Penske Entertainment: Joe Skibinski

世界三大自動車レースの祭典・インディアナポリス500マイルレース(インディ500)の決勝レースが24日(日本時間25日)、インディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われ、メイヤー・シャンク・レーシングのフェリックス・ローゼンクヴィストが、最終ラップの最終コーナーまでもつれる大激戦を制し、念願のインディ500初優勝を飾った。

2位のデイビッド・マルーカス(チーム・ペンスキー)とのタイム差は、100年以上の歴史を誇るレース史上最も僅差となる0.0233秒。1992年にアル・アンサーJr.がスコット・グッドイヤーを0.043秒差で退けた最僅差記録を34年ぶりに塗り替える、歴史的な幕切れとなった。

また、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからスポット参戦した2回の覇者・佐藤琢磨は、降雨や相次ぐ赤旗中断に翻弄されながらも、過酷な200周を戦い抜き10位でフィニッシュを果たした。

■ 雨、そして相次ぐ赤旗。佐藤琢磨は粘りの走りで10位を掴む

12番手からスタートを切った佐藤琢磨だったが、今年の決勝はスタートから思うようにペースに乗れず、苦しい展開となった。さらにレースは降雨のため106周目に赤旗中断となるなど、リスタートが相次ぐ荒れた展開に。琢磨は再開後にポジションを上げては、すぐに抜き返されるという一進一退の攻防が続いた。

しかし、スムーズな走りになった終盤にようやく順位を上げると、他車のクラッシュにより193周目に再びレースが中断したタイミングで8位に浮上。17年、20年に続く3回目の優勝へ向けて意地を見せたが、最終盤のリスタート後に惜しくも2台にかわされ、10位でチェッカーを受けた。

■ 最終ラップ、ターン4からの決死のドラッグレース

満員の35万人の大観衆が総立ちとなるなか、200周のレースはインディ500史上最多となる70回のリードチェンジを記録する、一瞬も目が離せないハイスピードバトルとなった。

すべてが決した最終ラップ、グリーンフラッグとともに先頭でホワイトフラッグを受けたのはマーカス・アームストロングだったが、ターン1でマルーカスが鋭く首位を奪取。しかし、アウト側のハイラインを果敢に攻め続けたローゼンクヴィストがターン4でアームストロングを捉えると、そのまま首位マルーカスの背後へと肉薄した。

ホームストレートへの立ち上がり、マルーカスはローゼンクヴィストのスリップストリームを遮るためにピット壁側へとラインを振り、さらに中央へとマシンを動かして牽制。ローゼンクヴィストは激しい風圧のなか、激突寸前のコントロールでマシンの鼻先をさらにアウト側へと振り戻した。2台は文字通りサイド・バイ・サイドでフィニッシュラインへ飛び込み、ローゼンクヴィストがわずかの差でトップチェッカーを受けた。

3位にはスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)、4位にパト・オワード(アロウ・マクラーレン)が続き、5位のアームストロングまで、トップ5の差はわずか0.4360秒という大混戦だった。悔し涙を流したマルーカスは「毎周クラッシュ寸前まで150%の力を出し切った。本当に悔しい。次は160%の力で戻ってくる」と声を詰まらせた。

■ 終盤に交錯した2つの戦略と赤旗によるリセット

レースの結末を分けたのは、終盤に繰り広げられた緻密な戦略戦だった。オワード、アームストロング、ローゼンクヴィストの3台は、164〜166周目という燃費の限界に近いタイミングで最後のピットインを終え、ペースを落として燃料を節約する戦略をとった。

一方、マルーカス、マクラフラン、そしてポールシッターのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)らは175〜176周目までピットを引っ張り、燃料満タンの状態で牙を剥き、20秒以上の大差を猛烈な勢いで追い上げる展開となった。

ローゼンクヴィストが185周目にオワードを捉えて首位に立ち、そのまま逃げ切るかと思われたが、終盤のアクシデント(192周目のカイオ・コレットのクラッシュ、197周目のミック・シューマッハーのクラッシュ)により、燃費戦略の差は一気に帳消しとなり、勝負は純粋なスピードの力勝負へとリセットされた。ローゼンクヴィストは「赤旗が出たときはすべてがひっくり返って少しネガティブになったけれど、3番手からのリスタートになったことで、追われる立場から狩る立場に変わって集中できた」と振り返った。

■ 公私ともに最高の5月となったローゼンクヴィスト

ローゼンクヴィストは今回の勝利により、ケニー・ブラック(1999年)、マーカス・エリクソン(2022年)に続き、スウェーデン人として3人目のインディ500覇者となった。また、メイヤー・シャンク・レーシングにとっては、2021年にエリオ・カストロネベスが4回目の優勝を飾って以来、チームとして2回目のインディ500制覇となった。

何よりローゼンクヴィストにとって、この5月は忘れられない月となった。5月4日には妻のエミールさんとの間に、第一子となる長女のステラちゃんが誕生したばかりだった。伝統のミルクを自ら頭から浴びたローゼンクヴィストは「まだ信じられない。今月、父親になり、そしてインディ500で勝つなんて……。本当に夢のようだ」と歓喜に浸った。

■ 決勝レース結果(トップ5および佐藤琢磨選手)

1位:フェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング)
2位:デイビッド・マルーカス(チーム・ペンスキー)
3位:スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)
4位:パト・オワード(アロウ・マクラーレン)
5位:マーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング)
・・・
10位:佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
※なお、最多の59周をリードしたポールシッターのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は7位でフィニッシュしています。