【インディ500】ローゼンクヴィストが時速233マイル超えで「ファスト・フライデー」首位!佐藤琢磨は4位、予選の1番手はディクソンに決定

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Shuhei.N.

posted2026年5月16日 9時18分

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(c)Penske Entertainment: Joe Skibinski

第110回インディアナポリス500マイルレース(インディ500)は15日、予選前最後となる練習走行4回目、通称「ファスト・フライデー」が行われた。午前中の降雨により開始が2時間遅れ、5時間に短縮されたセッションのなか、メイヤー・シャンク・レーシングのフェリックス・ローゼンクヴィストが、今週初となる233マイルの大台を突破する233.372mph(約375.5km/h)を記録し、トップに立った。

■ 100馬力アップの衝撃。ローゼンクヴィストが予選シミュレーションも支配

この日から予選に向けてエンジンのブースト圧が引き上げられ、各マシンの出力は約100馬力増加。最高速度は前日までから一気に時速5マイル(約8km/h)以上も跳ね上がった。

5月4日に第一子が誕生したばかりのローゼンクヴィストは、序盤こそ時速230マイル台にとどまっていたものの、セッション中にマシンの最適解を見つけ出し急加速。「これほどのタイムアップは珍しい。バランスが本当に良く、一度スピードに乗るとスムーズに流れるようになった」と語った。他車のスリップストリームを利用しない「ノートウ(単独走行)」ランキングでも232.324mphで6位に入り、予選本番を想定した「4周の平均速度シミュレーション」でもトップとなる232.828mphを記録。公私ともに充実する男が、ポールポジション争いの最有力候補へと名乗りを上げた。

この馬力向上に各チームがどう適応したかが明暗を分けた。セッション全体の周回数が今週最小の836周にとどまり、ジャック・ハーベイ(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)の42周が最多だった。これは、各陣営が増強されたパワーによるタイヤ摩耗やマシンの挙動変化を極めて慎重に見極め、無駄な走行を避けて予選アタックのシミュレーションに全神経を集中させていたプロフェッショナルな思惑の表れといえる。

■ マクラフランの驚異的な効率と、上位をキープする佐藤琢磨

2位には前日のエンジン交換から見事な復調を見せたアレクサンダー・ロッシ(エド・カーペンター・レーシング)が232.932mphで続き、3位には2024年のポールシッターであるスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)が232.674mphで食い込んだ。

とりわけ驚異的なのは、3位のマクラフランの動きだ。マクラフランは「ノートウ」部門でトップの232.674mphをマークし、予選シミュレーションでも2位を記録しながら、この日わずか7周しか走行していない。マシンの仕上がりに完全な手応えを得たことで、手の内を隠しつつタイヤとマシンを温存するチーム・ペンスキーの圧倒的な自信と高い完成度が窺える。

日本から参戦する佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も好調を維持し、232.655mphで4位にランクイン。5位にはマーカス・アームストロングを抑えてマーカス・アリクソン(アンドレッティ・グローバル)が入り、上位は歴代覇者や実力者がひしめく大混戦となった。なお、現在シリーズ3連覇中のアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は、ノートウ部門でマクラフランに次ぐ2位の232.532mphを記録しており、不気味な存在感を放っている。

■ 運命の予選抽選。ディクソンが1番手を獲得

走行終了後には、土曜日に行われる予選1回目の出走順を決める抽選会が行われた。ここで6回のシリーズチャンピオンと2008年のインディ500優勝を誇るスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の息子、キット君が見事に「1番」のコインを引き当てた。これにより、ディクソンが土曜朝の予選で最初のアタッカーとなることが決定した。路面温度が最も低く、エンジンパワーを引き出しやすい絶好のコンディションで走れるため、予選通過に向けて極めて有利な条件を手にしたことになる。

大きなクラッシュなどのアクシデントもなく、全33台が超高速域での調整を終えた。いよいよ、インディアナポリスの歴史に名を刻むポールシッターを決める戦いの火蓋が切って落とされる。